British Trad

 

欲しかったイギリスの伝統歌について書かれている本を

取り寄せました。中古の本です。

 

どこかの図書館にあったもののようで、「除籍」という

スタンプがあり、あまり貸し出されていなかった節があります。

 

かなり詳しいのですが、詳し過ぎて難しい内容でもあり、

ある種のこの方面の方だけにしか、興味が持てないのかも

知れないです。

 

でも、なかなか興味深いものがあって、私自身にとっては、

イギリスの曲をやる上で、ためになったと思います。

 

この本では、イギリスの伝統歌の中でも、バラッド(Ballad)と

呼ばれる、物語形式で書かれた詩から、その背景や歴史について

深く研究されているのですが、

 

 

こういう歌の世界は、過去も現在も、日本の一般民衆の中には

見られない文化だと思いました。

 

歌うというよりも語るに近く、

強いて言えば、琵琶法師の範疇になるのではないかと思います。

 

バラッドと呼ばれる歌の中には『◯◯さんがこう言った』という個人名が出ていたり、

ものすごくプライベートな内容のことが、物語風に書かれています。

 

内輪話かと思いきや、その時代、その地域の方には、とても共感できることのようで、

長い年月を経て、歌い継がれているのでした。

 

そしてバラッドには、必ず「リフレイン」という、

同じ文節の繰り返しが付くのです。

 

例えば、300年も前のバラッドと呼ばれている「スカボロフェア」の中には、

「パセリ、セージ、ローズマリー、&タイム」という繰り返しがあります。

これがリフレインです。

 

繰り返されるので、とても耳に残りますが、

歌詞としては、意味不明である部分とされています。

 

確かに現代でも、欧米のポップスの訳詞をあらためて見ると、

不思議な感覚の歌詞が多いように思うことがありますが、

その源流は、この伝統的なバラッドにあるのでした。

 

ビートルズの「エリナー・リグビー」という弦楽四重奏が入る曲も、

まさにそのスタイルです。

 

そして「あの孤独で寂しい人々はどこから来たのだろう」というリフレインは、

その昔、リバプールに住んでいたアイルランド人のことを言っているのでは、

という見解です。

 

ビートルズは、ポールを除いて、3人ともアイルランド系のイギリス人の家系に

生まれているのだそうで、(ポールはスコットランド系)

そんな同胞へのオマージュではないかと・・・。

 

ここではあまり政治的なことは書きませんが、

歴史の中で、アイルランドとイギリスには、本当にいろいろあったので、

アイルランド人がイギリスに住むことは、その当時、容易いことでは

なかったのだと思います。

 

それと、このバラッドのさらに源を辿ると、

Singing Gameという、少女たちが輪になって歌うゲームにあるということです。

 

これは、まさに、「かごめかごめ」や「花いちもんめ」の世界です。

きっとこういった、知らない者同士が打ち解けるための歌遊びというのは、

どの国にもあるのでしょう。

 

歌の内容は、さほど重要ではなく、時に意味がなく、

繰り返して覚え易く、リズムがあって、という点では共通しています。

 

民衆の中で育った音楽が、いろいろな形で複合されて、

今の音楽を作っていることを思います。

 

今度、スカボロフェアをリメイクして、春からのコンサートで

披露したいと思っているところです。

 

いろいろなアイディアをもって、ソロの可能性を最大限に広げる、

これが今年の目標です。

 

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