メゾソプラノとバロックハープ

数日前に、波多野睦美さん(メゾソプラノ)と西山

まりえさん(バロックハープ)のコンサートに

行ってまいりました。

 

波多野さんは、ルネッサンスやバロック時代の、

素朴な曲の歌い方が素晴らしく、何枚もCDを

持っております。

このたび生で聴けて大変嬉しいです。

 

まりえさんは、5年ぐらい前にアントネッロという

古楽アンサンブル(リコーダー、ヴィオラ・ダ・

ガンバ、ハープ)のコンサートで聴いております。

それ以来、古楽曲のハープはお手本にさせて

いただいています。

 

今回はモーニングコンサートということで、朝の11時からでした。

波多野さんが毎回違ったゲストを迎えて、シリーズでやっているようです。

 

透き通るようなお声・・・午前中ですのに、さすがです。

起きたのは4時半とおっしゃってました。

歌手は本番の5、6時間前から準備なさるのです。

 

まりえさんも、大きなバロックハープを早くから運ばれたようです。

雨でなくてよかった、とこちらがほっとしました。

 

バロックハープというのは、私が持っているアイリッシュハープや

クロスストラングハープとは、また違うものです。

 

アイリッシュハープは、弦が一列、

クロスストラングハープは、弦がクロスして二列、

バロックハープは、弦が三列、平行に張ってあります。

 

イタリアの17世紀の時代の復刻ハープをお使いでした。

深い音がします。いい響きです。

 

本日は、シェークスピア劇中の曲や、バロック期のイタリア、フランスの曲が

中心の、一時間のコンサートでした。

 

優雅なハープと、美しいソプラノ、朝のコンサートにぴったりなデュオ・・・

ではありますが、波多野さんもおっしゃっていましたが、

決して朝向きの内容の曲ではありません。

 

なかなか夜来ることができない方のために、この時間帯で企画なさったというだけで、

朝を意識していないことを最初におっしゃいました。

 

なるほど、なるほど、歌詞の訳を見て納得です。

イタリア歌曲などは、ほとんどが、恋愛がうまくいかず、相手への恨みに始まり、

復讐心に燃える・・・といったものです。

 

それがなぜか美しい旋律に乗っているから不思議。

どうもそれがイタリア歌曲の伝統なのだそうです。

 

原語がわからないから、朝でも聴けてしまいます。

何しろ音楽としてはとても美しいのです。

 

怒りであっても、人のストレートな感情は美しい、というのがイタリア的解釈なのか。

ルネッサンス時代のヒューマニズム(人間中心の文化)が息づいているからなのか。

それとも単に、芸術は爆発なのか・・・。

 

人の「負」の感情が、何百年も歌い継がれている不思議を思いました。

執念深いということでしょうか・・・ちょっと怖いですね。

 

でも、本当に美しい歌もたくさんありました。

モーツァルトの「春へのあこがれ」は、五月の美しい自然を歌ったものです。

波多野さんの声にぴったりでした。

 

つまり歌い手さんは、俳優と同じですね。

いろんな役をこなされていました。

 

それにしても、ハープのみのコンサートは本当に静かです。

会場も静寂そのもの。

普通のクラシックコンサート以上に、皆さんの気遣いを感じます。

 

咳なんか絶対にできませんよ〜。

風邪が治ってからで本当によかったです。

 

コンサートの作り方や、歌の伴奏の勉強もさせていただきました。

そして、こんなビッグなお二人の演奏を聴けて、

とても贅沢な朝でありました。

 

 

代々木公園にあります、ハクジュホール。小ホールですが、響きがよいです。
代々木公園にあります、ハクジュホール。小ホールですが、響きがよいです。
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