4台目のハープ

このホームページの、Instrumentsのところにご紹介してありますように、

私は、3台のアイリッシュハープを所有しています。

 

どうして3台も?とよく聞かれますが、それらは大・中・小とサイズ(音域)が違う

ものなので、ポータビリティを考慮して、毎回持ち出すものを選んでいます。

 

車で行く時はミドルサイズかビッグサイズ、電車で行かなければならない時は、

スモールサイズ、という具合です。

 

もちろん、それぞれ音色が違いますので、選曲によっても変わってきます。

 

3台もあればもう十分かと思いたいのですが、そうでもなく、

ハーピストって、なぜか何台も所有するはめになっています。

 

ハープという楽器には、全音弦(ピアノでいう白鍵)しか張っていないので、

臨時記号(転調)出現の際には、アイリッシュハープは、上に付いているレバーを

上げ下げするという、複雑な動作が伴います。

 

それを解決するには、ペダルで操作できてしまうグランドハープを導入するか、

あきらめて転調のできるだけ少ない曲を選択するか、あるいは、

レバー操作を無茶苦茶練習するか、という選択になります。

 

ピアノで弾けて当たり前のことが、ハープでは難しいのでした。

(ご興味ある方は、『About Harps』のコーナーをご覧ください。)

 

私は、グランドハープは、実はあまり好きではないのでした。

優雅でゴージャスすぎるといいますか・・・。

第一、自分で持ち運べないとなると、もう論外です。

 

ですので私は、なんといっても、アイリッシュハープ派です。

その素朴な音色、そして、ケルト地方らしい音を求めて止まないのでした。

 

もしアイリッシュハープが、半音階も苦労なく、ピアノのごとくに弾けたら、

どんなにかよいでしょう。

 

こんな夢のようなハープが・・・なんとアメリカにあったのです!

弦がクロスして、全音と半音が2列になっている、珍しいハープです。

 

その道の優れた奏者も、あちらには何人かいたのでした。

さすが開拓の国・・・。

 

ただ、奏法がまるで違うので、新しい楽器を始めるくらいの覚悟が必要です。

かなり難しいらしく、世界的にもあまり普及していないようなのです。

 

ならば私が。

こんな可能性を持った楽器を前に、やらない手は無いのです。

 

いろいろ、本当にいろいろ調べて、あるアメリカのハープ製作者のところに辿り着きました。

何度もメールでやり取りをした末、音域が4オクターブ半のハープを注文することにしました。

結構大きいような・・・気がします。

 

個人輸入となりますので、その手続きの面倒なこと。

この取り引きが完了したのは、実に震災の前日でした。

 

送金も済ませ、ほっとした途端に、あの世の中が変わることが起きたのでした。

 

あちらの銀行には、地震当日に入金されたようで、ハープ製作者がびっくりして、

グーグルで調べて、「Chibaってどこだ? わ、海の近くだ!!」と、大慌てしたそうです。

 

(千葉も広いんですが・・・彼らには、日本列島は小さな島にしか見えないのでしょう。)

 

こんな滅多に注文されないような楽器を、日本人が、しかも震災の日に買ったということで、

なんだか妙に親身になってくれて・・・。

どうやら私は、彼らにとって、生涯忘れ難い顧客となったようでした。

 

ハープという楽器は、お店で手に取って選べるようなものではなく、

こうして製作者と信頼を築いた上で、やっと手にすることができる楽器です。

これまでの一台一台も、それぞれに思い入れと、storyがあります。

毎回が、ハープ探求の旅なのでした。

 

この4度目のハープ探求の旅を終え、今はその楽器の到着を待っているところです。

 

皆様の前に、この新しくも珍しいハープを、一日も早くお披露目できることを

願っております。

 

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